オスカー・フォン・ロイエンタール 子供時代



 ComicStudioMini初使用。鉛筆には速攻慣れて丸ペンにも少し悩んだがまあ使えるようになった。でもトーンの使い方が難しいなあ…使っていけば慣れるかな。

 で、子供時代のロイエンタールですよ。何故そんなマニアックなモノを描くかね俺。
 …アニメ版の画像見かけて、不覚にも「………可愛いじゃねえか」と感じたからですよ!そりゃあもうケスラー大佐さんみたいに、そっち系(どっちだ)に目覚めるかと思いましたよ!成程、これじゃあ子供の頃から有閑マダムに喰われてそ(以下削除)。
 と言うかマジで喰われてるんなら、その時点で充分過ぎるほどにトラウマだよな。親からの虐待云々を置いてみても。

 自分は双璧が好きですが、100質なんかで「好きなのはヤンとミッターマイヤー」と挙げてたり「原作終了後の時間軸でユリアン×ミッターマイヤーなんてどうよ」とか言い出してみたりしてますな。ああ石を投げるな。
 確かにミッターマイヤー好きだけど、ロイエンタールも好きですよと一応念のために言っておく。5:5で。「生き残った者が勝ち」と言う思想も込みにしても6:4までしか傾かん。そん位伯仲してますよこいつら。

 で、自分はアニメ版のデザインで刷り込まれたりしますが、これって美形だよなあ。小説から入ったファンの人にはアニメ版デザイン嫌われてるみたいなんですけど(ロイエンタールの他にはポプランとかシェーンコップとかが顕著なのかな)。30前後の男ならあの位歳取ってて然るべきだろう。
 じゃあお前アニメ版デザイン全肯定かっつったら、確かにミッターマイヤーの全身デザインはちょっとどうよとか感じてないとは言わんけどさ。「小柄」とか言われてる彼の腰周りが、アニメでは細く見えないのは「引き締まった体操選手」てな描写の解釈がデザイナーさんと違うのかな。「体操選手」だからそれなりに筋肉でがっちりしてると解釈してるのかな、とかな。まあ原作自体に「太ると女房に嫌われる」発言とかあるんで、その辺の含みもあるのかもしれんが。

 …今回語りたいのはそういう事ではなく。ロイエンタールの子供時代を考えてみる訳ですよ。いや、有閑マダムとかは置いておいて、真面目にな。

 「母親に片目抉られそうになった」と言う肉体的虐待をまず喰らってる訳ですよ。ようやく目が開く頃にやらかされた事だから記憶に残ってる事自体が普通おかしいんだけど、それが不思議に残ってるって事はそれだけ恐怖を味わったと言う事なんだろう。
 しかもその状景がいつでも完全に思い出されるってのはな…目が開いた時に初めて見た光景が自分の命の危機だったから、脳内に焼きついてしまったんだろうな。しゃれにならん。
 で、それが未遂に終わり、母親は正気を失って挙句に自殺したんですっけ。父親や使用人達は彼女がどうしてそんな乱心に陥ったのかは全く知らんままで。だから父親は訳判らんままロイエンタールを責めてたのかな。「お前は生まれるべきではなかった」と生涯言い続けるなんて、こっちは精神的な虐待だよな。

 二種類の虐待をセットで喰らって、しかも問題全く解決してないんですが…父親何時死んだか知らんが、良くあの程度の性格捻じ曲がりで終わったなこいつ。
 それに、性格がどっちかと言うと厭世的な割に自分の命はどーでもいい、むしろ「大切な奴」と思った人間の命を生かしてやりたいと言う感じだよな。一貫して自分が生きる事に対する欲が非常に薄い。
 ミッターマイヤーと軍人生活の序盤に出会わなかったら、この人多分、尉官時代に激戦区に送り込まれた時点であっさり生きる事諦めてるんじゃないんでしょうか。親友が一緒にいるから、こいつだけは生かして帰ると思ってるから結果的に自分も生きてるんじゃないかと。…ミッターマイヤーにもそういう部分はあったと思うが。
 ある意味危ういが無欲な人間だから、部下も最期まで付き合ったんだろうなと思うんですよ。結果的に自分の命よりも他人の命に重きを置いてるし。
 自分に対して真面目に関わってきた人間に対しては弱いんだろうな、と思わせるフシも大いにあるしな。ベルゲングリューンに対しての信頼感はかなりのものだろう。

 漁色家で厭世的ではあるけれど、他人に対して捻じ曲がった部分はなくてむしろ天然な辺り、やっぱり育ちがいい子なんだろうな。確かに親からは愛されなかったけど、使用人からは使用人なりの愛情を貰ってたんだろうな。
 きっと、父親と顔会わせるとぐちぐち同じ文句言われ続けるので避けて、自分の部屋に閉じこもって本読んだりホームコンピュータいじったりしてる大人しい子供だったんだろうなーとか思ってたりする。それなりの学校には通っても友達はやっぱり作らずにぽつーんとしていて、それが当然と思っていて別に何の不満もなかったんだろうな。
 使用人はそら雇い主家族相手だから一線引いているけど、普通に愛情込めて応対してくれていて、だから使用人に対してはたまーに学校での出来事とか話したのかもなあ。そういう態度に対して使用人達も「旦那様は辛くあたりなさるけど、いい子ですよね」みたいに話してたりさ。

 そういう風に「ちょっと内気だけど普通に真面目で才能がある子」みたいな感じだったのが厭世的になるのは、やっぱり女と言う存在に絡まれるようになってからだろうな。
 全く自分は意識がないのに勝手に寄って来る年上の女とか。同級生とかならまだ子供の遊びで普通に流せるだろうが、そういう目で見てくる大人の女が居たら、確かにキッツイだろうな。しかも彼には母親に虐待された記憶がある訳でさ。
 急に歳不相応な女の匂いさせるようになってきた子に対して、使用人達はびっくりするだろうが、やっぱり使用人風情には忠告も何も出来ない訳で。女に母親を重ねて(おそらくは)母への復讐心を満たすつもりかそれともやはり自傷行為のつもりなのか、自分でも良く判らんまま漁色家への道を歩むんだろう。

 で、何故士官学校に行ったのかな。
 普通に育って父親の財産をそのまま継ぐのが厭だったのかな。軍人になれば自分で生計立てられるし、任地から任地に飛び回れば自宅に居る時間も短くなる。何より士官学校に通ってる時期は寮生活だから、家に帰らなくて済む。…父親が未だに存命なら、父を合法的に避けたかったのかね。

 何だか凄く長くなりましたが、こんな彼がミッターマイヤーに出会ったのは強烈なインパクトだったんだろうな。多分、自分と能力的にも階級的にも釣り合っていて、ようやくまともに対等に会話できる存在が見つかったんだろうな。しかもその相手が非常に気持ちのいい奴で、ぶっちゃけ気に入ってしまったんだろうな。
 ちょっと視線下げなきゃ会話出来ないような小柄な相手でも、その視界に慣れてしまったんだろうな。何故ロイエンタールの回想に出てくるミッターマイヤーはあんなにも笑顔全開で、時には後光まで射しているのか…。理想だったのかな。

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