そして、そのタカナミ書記長とジェニー・円との会話は、波留の眼前で再生された。



 ――久島君の飼い犬があちこち嗅ぎ回っているようですが、大人しくしていれば良いものを。
 ――…あなたなのね。
 ――久島君が居なければ事はスムーズに運ぶと考えはしましたが、それが何か?
 ――…あなたと言う人は。
 ――人工島の未来と繁栄を考えているだけです。あなたもそうなのでしょう?



 この会話を耳にした波留は、一瞬内容の把握をしかねていた。
 どちらも声を荒げる事はない。相手を詰るようでも、嘲笑するような事もない。いつもながらの淡々とした会話だった。
 しかし――。

 …今、彼は、何を言った?
 久島が居なければ――だって?
 それは、まさか――。

 そして、彼女は、それに気付いて――それでも今まで――。
 
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