パウル・フォン・オーベルシュタイン


 そういや銀英伝専門サーチに登録したのでお客さんもそこそこいらっしゃってるんでしょうけど(カウンタ置いてないから良く判らん)、説明文に書いた「オールキャラですがユリアンと双璧に偏る」が非常に笑えない最近の更新状況です。
 気が抜けたのか、燃え(萌え)に突っ走ってるよ最近!…いや本気で萌え倒してんなら、私的女性キャラ萌えNo.1であるデリカさんを描き倒すと思うんだが。

 で、パウル・フォン・オーベルシュタインについてまだ語ってない事に気付いたので上げておきますよ。
 何だかファンには嫌われてるんだか好かれてるんだか判らないんですが、作中キャラには本気で嫌われまくってますなあ。双璧は言うに及ばず、ラインハルトでさえ「あの男を好きだと思った事は一度もない」だし。
 ビッテンには掴み掛かられてしまったし。あの時義眼大丈夫だったんかなあ。

 「私利がない人」と言う評価を受ける事が多い彼ですが、個人的には「私利がない」と言う点が彼の最大の「私利」であると思っていますよ。
 つまり彼の行動原理は、自分なんざ生かす必要はない、生かすべきはローエングラム王朝(ラインハルトではない)。自分を捨てているが故に、彼の自己犠牲精神を目の当たりにして他の誰もが彼に反論できない。しかしその、自分を捨てている部分が、彼の最大の武器であって…。
 ラインハルト以上に、好き勝手に生きて自分の思うがままに世の中を動かして、そして死んでいった人間だと思ってるんですよね。俺的にはね。
 だから、そういう「私利があった」人間だと思っているから、個人的には彼を嫌いになれないし、むしろ好きだなあと感じる。彼が断行する業務はともかく、視点はひたすらにアンチラインハルト側(つまりアンチ武人)だから、彼がいる事で戦争ばかりの物語が引き締まる。

 コズミック・モザイクで「卿らの武人の誇りとやらが何十万の臣民を宇宙の藻屑にしたのか」と言い放つくだりが物凄く好きだ。一般兵士にとっては、彼みたいな人間が幕僚のトップクラスにいた事が非常に救われる事なんだろうなとも思う。

 後、アニメ版の話だけど、ロイエンタール叛乱が発覚した際の表情が忘れられん。「なんでこんな簡単に叛乱起こすんだよつくづく馬鹿げているな武人の誇りってのは」みたいな微妙な感じを読み取ってしまった。彼にとってロイエンタール叛乱は多分、すげー不本意だったんじゃないかなあと感じた。
 叛乱後にフェルナーに対して(口数多く)総括してみせるシーンも好きなんだよなあ。ミッターマイヤーの心情を的確に言い当てている。
 結局は彼もまた双璧と長年付き合ってきた人間だから、彼らを理解していた、理解したつもりだったんじゃないかなあ、愛着はあったんではないかなあと愚考する次第です。
 なのに当の双璧からは物凄く嫌われている辺りが、彼らしいんですが。

 それにしても…あの身代わり爆殺も一体何だったんだろう…ラインハルトに殉じたつもりなのか?ローエングラム王朝はもういいのか?

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