カイザーリンと国務尚書



 カイザーリンヒルデガルドと国務尚書ミッターマイヤー。

 …なんですけど、格好は作中のまんまですよ。多分、変わらんと思うんで。
 ヒルダはアレク産んでラインハルト亡くした後は、カイザーリンというよりかは宰相と言う立ち位置が大きくなると思うので、今まで通りスーツ姿になると思います。結局今まで通り仕事に生きそうです。アレクの世話はラインハルト生前同様にアンネローゼと兼任すればいいし、乳母も居るだろうし。
 ミッターマイヤーは、宇宙艦隊司令長官の座はミュラー(ロイエンタール叛乱時に推薦したし、多分彼だ)に譲るとしても、軍には「元帥」として籍だけは置いておくんじゃないでしょうか。いきなり退役して民間人になっても官僚相手は難しいだろうし、軍人が政務に関わるのは(民主主義国家じゃないから)タブーではないようですし。何より軍の人材も(元帥以外は)あんまり育ってないから求心力は必要そうだし。
 その後5年位経ってバイエルライン世代がそれなりに育ってきたら、ようやく退役して国務尚書に専念すると、まあ自分の脳内設定ではそうなっております。…ちなみに脳内設定では、彼はそんなに長生きしない事になってたりしますが、その辺はまた別の機会に(あるのか?)。

 それはそうと、ヒルダって人気ないんですかね?フレデリカさんはそこそこ好きな人いるみたいですけど、彼女に触れる人はあんまりいないようです。
 確かに、男にとって非常に都合のよいキャラ設計だとは思いますが。結局ラインハルトと一回しかやってない(直接的表現)事になるんだろうな。
 個人的には初登場時から「おいおいこれでラインハルトとくっつかなかったら詐欺だろ」と思ってました。そういう立ち位置のキャラだと認識したので。9巻でようやくあんな事になった時にはマリーンドルフ伯と同じ感想を抱いたもんです。
 彼女自身(そしてラインハルトも)、自分の中の愛情を遂に良く判らないまま事が進んで、そして皇帝逝去となってしまったような気もします。後に感情を良く整理して「ああ私はあの方の事をそれ程までに愛していたのか…」とようやく実感出来るような気が。
 何つーか、男女の関係が非常にプラトニックめいている帝国側のキャラらしい女性だと思います。

 で、国務尚書ミッターマイヤー元帥の話。
 公明正大な人格を頼りにこう言う人事になったんでしょうけど、ラインハルト逝去後の帝国って、本当に彼の人格を頼りにするしかないんだよなあ…と言う印象。
 何せ帝国初期メンバー4人の中で生き残ったのは彼独り。元々凄い人望持ちですが、更に独り占めですよ。更にオーベルシュタインも死んでしまったので、仮にミッターマイヤーが暴走しても止められる人いるんですかね?
 ヒルダの功績はあくまでも隠れた功績であるのだから、それを評価できる人はあんまりいなさそうだし(つーか評価してるのは当のミッターマイヤー)、実際に様々な事をやってのけたカイザーラインハルトとは違って、「カイザーリン」として無条件に尊敬出来るような状況でもないでしょうし。

 まあ、ラインハルトやロイエンタールに託されている以上、ミッターマイヤーは次代の帝国を必死で守り抜く覚悟でしょうから、叛乱や簒奪などは考えないでしょうけど。
 仮に彼が叛意を抱くとすれば守るべき帝国の国情がどうしようもなく悪化した時でしょうけど(丁度グリーンヒル提督のように)、ヒルダがヒルダである以上失政はやらないと思うし。アレクの政務能力は未知数だけど、ヒルダ生前なら宰相として指導をかましてくるでしょう。ヒルダやミッターマイヤーが死んだ後までは責任持てません。
 ミッターマイヤーの矜持が変質しない限り、彼はヒルダを擁護し続けるだろう。互いの能力を認め合っているこのふたりが生き残っていると言う事態は、帝国にとってそうは悪くないんだよな。どちらかが欠けても、入れ替わっても、まずかったろうなあ。

 特にロイエンタールとヒルダだったら目も当てられません。ヒルダは当初からロイエンタールを危険視し、ロイエンタールはヒルダを見下しているフシがあったしなあ。
 結局彼はヒルダとラインハルトがくっついた事を知らないまま死んで行った訳ですが、仮に知ったらもう凄い悪態ついたと思われますよ。「これだから女は」だの「陛下を惑わしたか」だの「女と言う生き物は自らの体を最後の武器に出来ると思い込んでいるから困る」だのな。大体出来ちゃった婚だし、そんな事言われても仕方なかろう。
 つーか、そういう感想を抱くシーンを見てみたかったんだがね。


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