カール・エドワルド・バイエルライン


 カール・エドワルド・バイエルライン。
 多分、ミッターマイヤー随一の部下。………多分。

 何つーか、能力は「後世の歴史家」に認められているから、正伝で語られている以後には成長したんだろうなあとは思います。でもあくまでも正伝内で語られている彼は、正直良くも悪くも「若者」ですな。ランテマリオでロイエンタールに青二才呼ばわりされた事で、銀英ファンの間でも「青二才」と言えば彼の事だと通用するようですし。
 つーか、双璧系のネタ見てると、バイエルラインの当て馬度が酷えですな。身から出た錆以外の何物でもないけど。

 俺が彼を「良くも悪くも若者」と表現した理由。

 当て馬にされるのも判るまでに、ミッターマイヤーに対して真っ直ぐだよね彼。何が起ころうとも全く忠誠心が揺るがない。自分の能力を最大限に使おうとする。これは美徳だと思う。
 美点と欠点が紙一重な行動だけど、ロイエンタールへの勘は凄まじく当たりましたな。何が何でも上官だけは守りたかったんだろうなあ。「危険な元帥」の行動に巻き込みたくはなかったんだろう。上官自身は取り合わなかったですが。
 「夏に霜を降らせて喜ぶ輩か」に対する相手は原作では決まってなかったですが、アニメ版ってバイエルラインでしたっけ。上官を守るためにならどんな諫言でも言ってみせる彼の態度は、ある意味美徳でもあるんだろうな。

 でも、ミッターマイヤーと言う最高の上官に巡り合ったばかりに、他の事が想像出来ないんだよな彼。あまりにも一点集中し過ぎている。
 ビュコックへの降伏勧告を自分に当てはめて「仰ぐ旗を変える気にはなりませんから」と言うが、新帝国の重鎮には転向者がそこそこ居る事までには思いが拠らない。ファーレンハイトやシュトライトの存在まで目が向かない。あくまでも彼の視点はミッターマイヤーとその艦隊のみ。そこをミッターマイヤーにも注意される。
 ここから視野を広げないと、後世に言われるような評価にはならないんではないか。

 ミッターマイヤーとは4歳違いになるんですかね。歳の差以上に人格の成熟度が果てしなく違うような気がしますよ。そこを正伝終了後から埋めていかなきゃ。いつまでもミッターマイヤーが上官で居てくれる訳ではないんだしさ。何十年後になるか判らんけど、彼は今の時点で大将なんだから将来の元帥も夢物語ではないでしょうし。
 「次代の双璧」が待ち望まれてるんですから、「大将以下が育っていないな」と帝国重鎮達に言われてる場合じゃありません。まあ「そんな事言ったって皇帝だの元帥だのが直接戦場に出向く国なんだから、彼らが死んだりして前線から引かない限り後進なんてなかなか育つ訳ねーだろ」なんですが…。
 まあ、今後の帝国は同盟やヤン一党と言った敵との戦闘状態は終結してるんですから、上級職の方々はそれなりに落ち着けると思うが。宇宙海賊やテロリスト掃討などにはそれこそ大将クラスが頑張る事に。…多分。

 帝国の提督方にはこの手の爽やか無謀若者キャラが存在しませんから(一番年下のミュラーはそれなりに成熟してしまっているし、ビッテンフェルトはありゃ粗野粗暴だ)、そういう意味ではバイエルラインはキャラと立ち位置で得をしていると思います。
 あっちこっちで包囲されてる割に、きっちり生還してるしな。もしかして「同じ程度の実力だろう」と評されているヤン一党側某提督と同じく、逃げるのは得意技ですか?


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