7巻冒頭三元帥



 100質でも挙げたように、俺このくだり好きだったりするんですよ。3人の性格が良く判る舌戦だから。

オーベルシュタイン→誰に対しても淡々。洗面所に立った時には一体何やってたんだかな。無言で義眼いじりつつ内心「またやってしまったか…」とか思ってたんだろうか
ロイエンタール→「公式の場だからミッターマイヤーばかりに話し掛けて軍務尚書を無視する訳には行くまいな」(こんな事書いてる地の文…正直笑い所ですか?)と思いつつ会話振ってみるも、相変わらずオーベルシュタインに対してはソリが完璧に合わないんだな。冷静に激しく喧嘩を売ってみる
ミッターマイヤー→こいつらを止めるのは結局俺かよ!俺だってオーベルシュタインの奴は嫌いだが…みたいな感じだなあ。いらん事言い出すロイエンタールのブレーキ役と言う基本を踏襲

 それにしても「ミッターマイヤーは短気ではないが…」とロイエンタールやミュラーよりも先に激発するような印象を与える地の文が時々あるのですが、原作読んでるとミッターマイヤー当人がぶち切れて周りに諌められた事件って、それこそラング襲撃だけだよな。基本は誰に対してもブレーキ役なんだよな。
 オーベルシュタインは嫌いだが、ロイエンタールやビッテンフェルトが先に彼に対して喧嘩売るのでそれを止める。頼りにならない医者に食って掛かりたいのはやまやまだが、先にミュラーがキレたのでそれを諌める。同盟からの使者の言い草には「皇帝陛下を侮辱するとは…俺キレてもいいかこら」と感じたが、バイエルライン以下幕僚が先に使者に踊りかかったのでやはりブレーキ役。
 何と言うか、基本は理性よりも感情の人なのに周りが自分よりも先にキレるので、自分が冷静にならなきゃいけないとか思っちゃうんだろうなあ。一緒にキレない辺りが、苦労症な彼の性格を良く表していると思います。

 まあ、だからこそ、ラングの際は一緒にキレてくれる人がいなかったから、そして「ロイエンタールを窮地に追い込んだのは奴だ」と視野狭窄に陥ったから、自分で煮詰まった挙句に襲撃に至ったのだと思うのですが。
 「生前の地位など最早関係ないでしょうな」なんて台詞は、普段の彼には有り得ない程に毒気満載だよな…。その分ケスラーに一喝されて我を取り戻した後、自分が一体何をしようとしていたか気付かされた際のあの自失振りは気の毒な程なのだが。真剣に「うわーみっちゃん可哀相だ」と感じました。


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