セカンドシーズン人物紹介
10/23現在 アニメ本編〜セカンド13話終了時点までの纏め 完全ネタバレ注意


メインキャラクター


●波留真理
【アニメ本編】
 フリーダイビング競技において様々な記録を打ち立てたが、20代半ばで競技からは遠ざかった。その記録は2061年現在も様々な基準値として用いられている。
 初期電理研職員であり、専属ダイバーとして久島から原初メタリアル・ネットワークに適合するナノマシンを投与されるが、そのテストを兼ねた2012年12月22日の調査潜水で大規模な事故(後に「海が燃える」現象と呼ばれる事になる)が発生。建設中の人工島が崩壊し、彼も巻き込まれて眠りに就く。
 それ以降50年近く目覚めず老いていったが、2061年1月に覚醒。しかし両足が動かなくなっており、車椅子の老人に。アイランドにて緩慢な日々を過ごしていたが、蒼井ミナモとの出会いと再び襲来した「海が燃える」現象により、メタルへのダイブを実行。
 事件を経て久島と再会し旧交を取り戻し、電理研委託メタルダイバーとしての事務所を開設し、久島からの依頼を受けたり暢気に過ごしたりと穏やかな日々を過ごすが、7月16日に久島が拉致され意識がメタルに消えた時点でそれは終わりを告げる。
 そして地球律と気象分子が反発し合う中、7月28日に超深海ダイブを決行し、彼は海へと消えた…。
【セカンド本編】
 久島に弾き飛ばされて海の深層から戻った時、50年前、つまり事故に遭う以前の肉体を取り戻し若返っていた。「50年前」とは電脳化の水準もそうであり、当時久島が波留に投与した原初メタル対応ナノマシンしか残されておらず、未電脳化状態に陥る。
 そのまま電脳化せずにドリブラの居候店員としてリアルの海でのインストラクター稼業をやっていたが、彼の周辺にのみ現れるイルカの存在を不思議に思い、その謎を調べるために久々に訪れた電理研にて、久島のプライベートルームに居残ったままだった久島AIに煽られ、再電脳化を決意。
 その後は電理研の仕事を委託しつつ徐々にメタルダイバーの統括業務を引き受けつつあったが、メディカルセンター占拠事件の手がかりを求めて無断で中国大陸に渡り、ジェニー・円と再会する。
 情報を得て戻ったものの、電理研からは距離を置く事に。海洋公園の事務所にこっそり居座り、そこでひっそり依頼を受けたりしていたが…。
【キャラ概要】
 1980年4月1日生まれ。2061年現在では81歳。久島とは50年来の親友。ホロンのマスター。ミナモをメタルダイブ時のバディとして登録している。
 白髪ポニーテールの車椅子の爺ちゃんは今は昔。現在では黒髪の青年。
 深海から戻り若返った状態のまま髪は伸ばしているため、ポニーテールは維持。髪切ってないらしくて徐々に伸びてる様子。そんな訳で、同じ若さでも50年前とは髪型が違う。
 人となりは基本的に穏やかでにこやかな青年。しかし久島が絡むと、少々目の前見えなくなる事も。誰にでも優しいが、女性関係には疎い。
 海から戻った時点で未電脳化状態に陥っていたが、50年前の電脳化の水準に戻された事で原初メタル対応ナノマシンを投与されたままの状態だった。後に再電脳化した時点でも、現行ナノマシンと共に原初ナノマシンも脳内に遺している。未電脳化時に貸与されている青色のペーパーインターフェイスは今も所持したままで、時折メタル作業の補助として用いている。
 リアルの海のダイバー及びメタルダイバーとしての技能は電理研や人工島のみならず、世界随一との評価。
 つーか5000m級の超深海ダイブするわ、同時にメタルダイブして「海の深層」とか言う良く判らん空間垣間見るわ、戻ってきたら若返ってたわ…その後も「原初メタルにダイブ余裕でした」「その原初メタルに解けそうになったはずだけど何とか戻ってきました」「メタルに敢えて意識のリンクライン流して他のダイバーと繋がりました」「共感覚用いて視力の代わりにしてみました」………そらエライザ様も「人間なの?」と疑うレベルでとんでもねー事してるよあなた。
 ミナモとは不思議な関係。周辺の人間は「絶対付き合ってるよね!」と外堀埋める勢いだが、当人達に果たして自覚はあるのか。
 料理の腕は店開けるレベル。紅茶を始めとしたお茶類の淹れ方も素晴らしい。ドリブラでは「ダイビング後のお茶」サービスが隠れた評判を呼んでいる。
【余談】
 とりあえず8話での久島AIへの爆弾発言以降、徐々に人気が落ちてきてる感がある主人公さん。
 容貌は霞義体とほぼ同一なのですが、作画のおやくそくという意味合いで「霞義体には存在したアホ毛がない」って事になっています。つまり、絵で見る事ができる作品だったなら、8話での占拠現場での立ち回りの時点で「これ波留じゃないんじゃね?」という推測が成り立った事になります。しかしあくまでも「作画でのおやくそく」に過ぎないため、地の文など本編での描写は一切するつもりはありません。
 絵板イラストなんかでは青リボンだか長い紐だかで髪結んでる事がありますけど、セカンド本編ではそういう描写はありませんし今後もするつもりはないです。流石に本編で良い歳こいた男にリボンはなあ…アレはイメージ映像ですが、かなり重要な意味が含まれてはいます。「青リボン」って誰が身に付けてますっけーとかね。


●蒼井ミナモ
【アニメ本編】
 ずっとオーストラリアの祖母宅(エアーズロックの近所なのでおそらくアリススプリングス)にて育っていたが、2061年4月から人工島へ移住。早々に介助実習でアイランドの波留と出会う。
 そこでの事件を経て、波留のバディとして事務所でのバイトに。様々な経験をしてゆき波留を「大切な人」と認識してゆく。
 基本的に少女らしい態度だったが、久島消失後に唐突に波留に丁寧語で対応するようになる。
【セカンド本編】
 将来の進路を「介助士」と定め、実習などを増やしてゆく。その最中に波留と再会してみたり仕事のサポートに呼ばれたりしてみるが、事務所のバイトと言う繋がりはなくなったためにアニメ本編程一緒に居る事はない。アドレスも交換しているが、そんなに連絡を取り合ったりもしない。
 電理研からの依頼で、以前知り合った久島のぶ代の名代として「久島の記憶回復」作業に付き合う事になり、そこで久島AIと日々を過ごし、彼と交流を深めてゆく。
 オリオン座流星群の日に久島を外に出し、久島AIに体験させる。そこで義体に久島当人が降臨し、短い時間だったが彼女は対面出来た。
 波留は「大切な人」に違いないのだが、久島AIに対する彼の対応に深い溝を感じ始め、また自分がやった事が久島を危機に晒したのだと気付くと、波留の怒りを買った事とそれで波留に嫌われるのではないかと恐れを感じた。結局波留とは和解した。
 介助士志望者として久島AIの面倒を看てきたが、彼が動けるようになってからもちょくちょく連絡を取ったり部屋を覗いたりしている。彼の事を「AIさん」と呼び、一個人として認めている節がある。それはホロンの扱いも同様。
 ダイビング時に「深海」にてイルカと遭遇。その後何故か居ないはずの波留とも出会っている。
【キャラ概要】
 2045年6月10日生まれの2061年では15歳。でも6月で誕生日過ぎたから、本当ならアニメ中盤からは16歳のはず。なのに何故中学3年生なのかは良く判らない。セカンドでは、その辺ぶっちゃけサザエさん時空状態。
 人工島中学校の3-A、出席番号1番。
 明るく快活な少女。年齢も立場も分け隔てなく誰とでも付き合い、久島やその姉ですらお友達認定。AIにも一個の人格を見出し、ホロンも久島AIも彼女に掛かればお友達。電理研の受付タイプ・ホロンもふつーに「お姉さん」呼ばわり。
 幼少の頃ハマっていた「行けっ ダップー!」と言うネットアニメ(オーストラリアローカルらしい)が今でも大好き。
 褐色の髪は肩につく程度に伸ばしていて、大抵は一部を後ろで結ぶ。ゴムで結んだ上から大きなリボンを被せるのがいつものスタイル。リボンは赤だったりピンクだったり青や黄色だったり、その日の気分と服装で決める。基本、赤とピンクが多いっぽい。
 波留のバディとして登録されており、セカンドでもその登録は解除されていない。
 未電脳化者。アニメ本編では電脳化に気持ちが傾いた時期があったが、それ以降は露とも考えていない様子。ペーパーインターフェイスはピンクで、待ち受けにはダップーが走り回っている。
 大きなトートバッグがトレードマークだが、アイランドで波留に貰った小さな肩提げ鞄もたまに使っている。
【余談】
 アニメ本編から一貫してメインヒロインのはずですが、セカンドだと日常パートをあまり持って来れてないために、ストーリーに絡ませるのがなかなか難しいなあと言うのが本音です。アニメで言うと、最終回のジレンマに似ていますかね。「今、私に出来る事」をやってたら本筋に絡めず影が薄くなってしまうって感じで。鋼のウィンリィさん状態と言うか。
 そもそもアニメ本編と違って事務所でバイトしてないので、波留とあまり絡む事もないんですよね実を言うと。彼らもあんまりべたべたしてなくて、連絡取り合ったりもしないですし。しかしいざ全く連絡が取れないとなると…と、不安になったりもしました。
 そのおかげで、久島AIとの絡みの方が多くなっています。もうAIさんと付き合っちゃえよとの御意見も、中盤から良く頂きます。


●蒼井ソウタ
【アニメ本編】
 統括部長付秘書として久島に個人雇用された青年。調査の中でもフィールドワークを主にするが、メタルダイブもそれなりには可能らしい。
 都市型格闘術を極めようとしていたが、ホロンには勝てない。しかしそれは彼女への恋心によるものだと自ら気付き、それを受け入れた。
 書記長とは恋愛関係にあったが、ホロンへの気持ちを自覚した時点で精算。その直後に久島が拉致され、ホロンとともに犯人と目される評議員を絞め上げ久島の脳核を奪還するが、その過程でホロンが初期化されて彼との記憶が全て消えてゼロから関係をやり直す事となる。
 久島が倒れて以降、統括部長代理職に就く。気象分子プラントに侵入した際に、ジェニー・円と格闘し右足負傷。気象分子散布後は電理研を挙げて波留の超深海ダイブをサポート。
 本編ラストにて、ホロンにインフィニティを手渡す。
【セカンド本編】
 統括部長代理職は結局続けている。しかし久島部長時代とは違って他の要職や評議員からの突き上げを食らい、なかなかしんどい立場の様子。
 右足は結局動かせないままで、松葉杖が手放せない生活に。格闘術を用いる事が出来なくなったが、アニメ本編時のように外回りの立場ではなくなったので必要ないと言えばその通り。とは言え身に着いた格闘術が少々のブランクで抜け去る訳もなく、片足不具合のハンディがほぼ消え去る寝技に持ち込めば、普通にKO可能(8話参照)。
 ホロンとの関係に悩んだ挙句、彼女のマインドコントロールを可能な限り外そうとするが、結局思い留まっている。
 久島AIの事を「先生」と呼び、久島当人と同じような扱いをする。しかし「彼」が久島ではないとの理解は一応は持っている。
 波留との関係を徐々に深め信頼して機密を任せていたが、波留が無断で中国大陸に渡った時点で看過出来なくなり、距離を置く事に。それでも密かに仕事を依頼してはいる。
 そして久島が「目覚め」、記者会見にて握手を交わす。果たして、彼には正式に統括部長に就任する未来が待っているのか?
【キャラ概要】
 2039年2月14日生まれ。2061年時点では22歳。人工島生まれで、基本的に島から離れた事はない。
 「電理研のインターン」と設定には書いてあって、「ミライノチカラ」の「フィラメント」では「統括部長付秘書」との珍妙な肩書きで、ミナモコミック及びドラマCDでは「久島が個人的に雇用した」との立場で…ともかく「電理研職員」としてはイレギュラーな存在の様子。その特異性でも周辺からは「久島の弟子」との扱いになると思われる。
 学業は表彰されるレベルで優秀。生身で義体に勝つべく、対義体都市型格闘術を極めようとしている。波留事務所にはミナモのために非常勤で居座り、経理担当に落ち着いた。家事全般を得意とする。文武両道で有能な青年ではあるのだが、全体的に年相応に青臭い印象。
 電理研の調査員みたいな事はしていたけど、正式に調査部に籍を置いていた事はない。あくまで久島の判断に基づいて動いていた。
 黒髪の青年。但し波留との違いは短髪。青シャツがトレードマークだったが、部長代理になってからは他の職員同様に電理研制服+白衣へ。
 セカンドでは右足が利かなくなり、白い松葉杖を手放せない。
 ホロンを秘書としているが、ホロンのマスターではない。彼女は、マスターたる波留の指示でソウタに従っているだけである。ホロンにインフィニティを渡しているが、彼自身は片割れを身につける事はない。
 (ドラマCD程極端ではないが、本編でも)若干兄馬鹿。妹が波留と付き合ってるのは何となく理解はしているし認めるつもりではあるが、やっぱり兄としては微妙な感もある。
【余談】
 結局右足利かないままなのかはアニメ最終回時点では判らないんですけど、「負傷から1週間でも杖ついてるのは、人工島の医療水準じゃ相当なもんじゃね?」との推測からこうなりました。
 実を言うとアニメ視聴時には「何で彼が部長代理なんだよ格闘馬鹿のくせに電理研や評議会何考えてんだ」と、俺も(おそらくは他の視聴者の方々同様に)思ってました。
 が、セカンド2話執筆時にソウタの現況の地の文書いてた時「あ、そうか。彼ってユリアンなんだ」と思いっきり腑に落ちちゃいました。偉大な前任者に個人的な繋がりがあったがために、弟子扱いされて後を継がされちゃったひよっ子。
 セカンドのソウタのベースは、そこにあります。そんな俺は、銀英では双璧と同等の勢いでユリアンが大好きなのです。


●久島AI
【アニメ本編】
 特殊な起動方法を設定されていた、久島の脳核に隠されていたAI。久島の意識がメタルに消えた以降、ソウタが起動させる。そして「彼」が求める人員が揃った時点で、久島から引き継いだ地球律の概念を伝える。
 その後は沈黙。ジェニー・円とのメタルでの話し合いの席に無言でログインしてきたり、海の深層からメタルへと久島が介入した際に瞼を開いたりしていた。
 「知識の伝達」に特化したAIで、義体の殆どを操作出来ない。そのため、車椅子の身の上。
【セカンド本編】
 メタル初期化でメタルに依存している存在であるAIの彼は消失するはずだった。
 しかし、メタルが停まっても彼は再起動。その後は久島のプライベートルームに居残り、訪れる人々に久島の知識を伝える役割を自らに課す
 静かに引き篭る日々を送っているが、久島の知識と記憶を得たい様々な人々に拠り、合法非合法を問わず様々な手段で狙われてゆく。しかし彼自身は自らをAIであり人間が好きにする事に全く異存はなかった。
 占拠事件において波留とミナモを庇い、久島としての義体は全壊。一旦霞義体に収まるが、新作された久島義体に移る。
 エライザとの契約で、制動系プログラムを入手。義体を通常操作出来るようになり、車椅子の身の上ではなくなる。
 人間達には多様な扱われ方をされ、思い悩んでいる節がある。そして彼は「久島」として振る舞うべく、電理研の会見へと臨む…。
 何らかの機構により、メタルに漂う久島の残骸を徐々に回収し、現在では殆どの記憶を取り戻している。唯一取り戻せていないのは、久島が「最期に襲われた」際の記憶のみ。
 超深海ダイブに向かう直前、波留からダイバーウォッチを託されており、左手に装着していた。しかし義体全壊時に左腕諸共に炎上して焦げるわ、それがホロンに修理に出されて戻って来ても勢いと流れで盤面割るわ、なのに今度は修理に出さずにそのままだわと、なかなかに酷い扱いである。
【キャラ概要】
 エライザのチャットプログラムを基礎として、久島の記憶と知識を受け継いだAI。
 名称未設定。「久島AI」と言う呼び名は視聴者や制作者(26話絵コンテ参照)、セカンド読者や筆者からの通称。ミナモからは「AIさん」、ソウタからは「先生」、波留からは名称無く「あなた」と呼ばれる。
 久島が彼に残した知識と記憶は「地球律」に関係するものばかりで、その他のプライベートなものなどは一切残していない(つまり、彼は厳密に久島のコピーではなかった)。しかしメタルに漂うジャンクを自動的に回収するに従い、久島の記憶を取り戻して行った。
 久島の脳核に存在を依存しているため、久島の脳が死ねば彼も消える。そのため、彼が久島の脳核の生命維持も担っている。
 久島が設計したAIで、マスターもシステム管理者も久島に設定されたままのため、今の彼の設定をいじれる人間など存在しないも同然。
 AIの常としてマインドコントロールが実装。それがたまに発動して、その都度記憶が改竄されている節がある。
 アニメ本編では23話でしか喋っていない。棒読み。
 起動時には車椅子の身の上で、腕や手や指を動かすのも一苦労。自分の義体なのに制動系プログラムが存在してないから、いちいち回路をハックしてたような状況。嗅覚も味覚も熱感知も実装されていない。喋って見て訊くのみ。
 人格プログラムもインストールされていない。AIデフォルト設定のままのため、無表情で無感動。
 エライザを基礎としているためか、彼女とは特殊なリンクを保持している。電通形式ではない、正に「繋がっている」状態で会話を可能にする。エライザの姿も普段は彼にしか見えないし、そもそも彼も傍のエライザを認識するまで時間がかかった。
 エライザとの契約の証として、左手に蒼いリボンを結ばれる。それは、彼とエライザにしか見えないし認識できない。
 ミナモとは介助と久島の名代から始まった奇妙な関係を築く。波留とは、罵倒されてショックを受けたかと思えば、AIとしての微妙な関係を続けている。
 波留から「預かった」ダイバーウォッチは左手首に装着しており、何らかの執着を覚えていた。今では盤面が割れたまま、装着し続けている。
 対応プログラムは一切インストールされていないがホロンから貰ったバイオリンを1回弾いてみようとしたり(まともな音出せてない)、味覚も嗅覚もないのに紅茶を試しに淹れてみたりしている。
 占拠事件以降に新たに換装された義体は、容貌こそ久島を踏襲したままだがパーツ流用無しの完全新作のため登録コードなどは変更されている。そのため「彼」オリジナル義体との認識になる。
【余談】
 もうオリキャラだよねー開き直るしかないよねー。
 デフォルトネームが設定されていないため、小説本文での三人称に結構苦労している。「その義体」「久島の義体」「そのAI」だの、アバター空間では「そのアバター」とかね!全く困ったものです。
 絵板での過去連載では「まるで捨てられた子犬のような扱い」だったためか、結構人気が高いように思われます。まあ実際マスター兼創造主に放置されたままなんですが。
 作中にて、車椅子で殆ど身体が動かせない→五体満足…と大幅に動作環境が変化したため、たまーに描写書いてて勘違いしそうになって慌てる事もあったりして…。混ぜるな危険。
 ちなみにアニメ時点ではあんな感じで棒読みで、セカンド本編時も棒読みです。ミナモとの付き合いと、五体満足になって以降に「人間の真似事をしてみたくなった」として若干喋り方に心掛けるようにはなったかもしれないですが、やっぱり棒読みのままです。しかし、心掛けるようになってから、多少は改善したかもしれないです。そしてあの会見へと繋がります。


●ホロン
【アニメ本編】
 アイランドの施設にて波留の介助のために付き添っているアンドロイド。後に波留が施設を出て人工島に事務所を構えた際は、事務所の秘書として事務全般を受け持つ。
 ソウタとの関係を深めてゆくが、久島誘拐事件の際に初期化されてしまい、バックアップがあった4月11日時点(つまりアニメ本編開始直後)まで記憶も人格も巻き戻された。そのため、ソウタとの関係も1からやり直す事に(厳密には、出会った時点の記憶は遺されている事になる)。
 初期化後には、歩けるようになった波留の介助は必要なくなったために電理研に戻る。統括部長代理に就いたソウタの秘書として彼を気遣う。
 メタル初期化の停電の際、何故か再起動。原初の夜、ハレー彗星の元でソウタからインフィニティを手渡される。
【セカンド本編】
 ソウタの秘書を続けている。インフィニティも装着。たまに波留と会い、共に依頼をこなす事もあった。占拠事件の際にはシルバーを拘束している。
 久島の義体が全壊した際には、巻き添え喰って焦げたダイバーウォッチを独断で修理に出し、久島AIに返却している。他にもアイランドの事件の際に使った変哲もないバイオリンを渡したりもしている。
【キャラ概要】
 2060年1月25日製造。電理研製の自律成長型のAI搭載のアンドロイド。その容貌は、20年前の人工島プリンセスとなったタカナミ書記長から許可を受けてモデルとしている。
 彼女のシリーズは「タイプ・ホロン」と呼称され、2055年頃リリースされている。彼女らは人工島の公共施設でその姿を見る事が出来る。
 久島によって、波留の介助用アンドロイドとして電理研から貸与された。その後は秘書プログラムも追加され、事務能力も得る。
 ボディガードとしての面もあったため、格闘能力も付与され現行最高値。出会った当初はソウタを容易くあしらい、その後は組手の間柄へ。
 AI以外の身体能力は、タイプ・ホロンのデフォルト設定のまま。実際、格闘特化のAIやアンドロイドには全く歯が立たない。
 波留をマスター、久島をシステム管理者と設定されている。現在は波留に命令されてソウタの秘書を務めている。
 黒髪ポニーテールで、眼鏡はスーマランのレプリカモデル。基本服装は白ブラウスにネクタイ状に結んだ青スカーフに黒タイトスカートだが、買い出しの際には様々な私服。
 初期化前のホロンと初期化後のホロンは別キャラと認識すべきだが、やはり徐々にソウタとの関係を深めつつある様子。
 初期化ホロンは電理研所属のタイプ・ホロンとしての制服だが、髪を纏めたお団子は1個で眼鏡も装着したままなのが他のホロンと異なっている。インフィニティは左手に装着し、たまに気に掛けている。
【余談】
 セカンドにおける「AIの苦悩」パートは久島AIに全面的に受け持って貰ってるため、ホロンの心情描写は殆どしてません。逆に彼女の行動を人間達が見て、彼らはどう反応するか?どう感じるのか?――そんな感じで書いています。
 彼女はソウタへの気持ちを自覚した時点で、一旦初期化されています。じゃあ今のホロンはそこまで行き着けるのか?何だかんだでマインドコントロールで雁字搦めなのは、久島AIと同一のはずですが…。
 電理研に出戻ったアンドロイドのため彼女単独で動く事はあり得ないため、秘書をこなすソウタかマスターである波留とセットでしか出て来れない事情もあり、セカンドではあまり出番がない(動かすのが難しい)のが現状です。




サブキャラクター


●久島永一朗
【アニメ本編】
 電理研所属後、波留と出会い無二の親友となる。
 人工島建設プロジェクトに携わる中、波留を使って海の謎を解き明かそうとメタリアル・ネットワークを開発。対応ナノマシンを波留に投与して海を観測しようとするが、12月22日の事故が発生。建設中の人工島は崩壊し、波留は眠りに就いてしまう。
 彼自身も左腕と右手を損傷、結果左腕を切断処置される。その後、段階的に義体化してゆき、最終的には2012年当時の容貌の全身義体へと乗り換える。
 波留の保証人となり、彼の目覚めを待ちつつも人工島建設に関わり続ける。その最中にもメタリアル・ネットワークの開発も続け、2020年に正式リリース。やがては次世代ネットワークへと採用される事となる。
 2061年、波留が目覚めた当初は疎遠だったが4月の事件から接近して仲直り。彼の事務所開設の手助けをし、仕事を回してゆく。
 しかし7月の臨時評議会の席上で「気象分子散布の延期」を提案した直後、テロに遭う。拉致された脳核は奪還されたが初期化が施され、彼の意識はメタルに解けて復活の見込みはなくなった。更にそのメタルの初期化により、彼の意識は完全に意味消失したはずだった…。
【セカンド本編】
 海の深層に消え、当人は登場してこない。しかし動乱を経た今でも尚、彼の存在が事ある毎に島の内外を問わず語られ、神格化が著しい。
 オリオン座流星群の夜、ハレーの影響により僅かに地球律が活性化したのか、自らの義体に意識が宿り、その場に居合わせたミナモと再会。多少言葉を交わして再び消え去った。
【キャラ概要】
 1978年10月7日生まれ。2061年現在では82歳。現・電理研統括部長。
 老人だが全身義体のため、50年前の壮年の容貌を保っている。義体は有機体のノーマル。
 濃い褐色の髪で(ミナモより黒に近い)、義体特有の紫だか藍色だかの瞳。生身だった頃は黒に近い灰色っぽい感じ(と、小説内では区別している)。
 電理研内では制服+白衣姿で、外出時にはスーツに着替える。
 電理研と人工島黎明時からそれぞれに関わり、現時点では電理研統括部長。島の支配者のひとり。メタリアル・ネットワークの創始者にして開発責任者であり、今も管理に携わっている。
 それらの経歴から、島の内外から尊敬を集め神格化されている。曰く「電理研の皇帝」「メタルの神」「人工島の神」とか、凄い言われ様。当人はその地位を無駄に振りかざす事はないが、有効活用はしている。
 波留の保証人を50年間続け、眠り続ける彼を見守り、目覚めた後も気に掛け続けていた。勢い余って波留の義体(通称霞義体。頭部フレーム強化型の軍用義体)を準備しつつも死蔵。
 7月にテロに遭い、メタルに意識が流れた後には回復の見込みがないまま加療中(と言う建前)。法的手続き上、未だ統括部長職に留まっているが、島民の殆どは彼の復活はないものと思っていた。しかし、電理研からまさかの復活会見が成される。
 紅茶好き。10代の頃はバイオリン奏者として有名になりつつあったが、突然引退。今ではその事実を知る者は殆どいない。弟弟子に当たる一之瀬カズネからは、バイオリン奏者として尊敬され続けていた。
 海を解き明かすためと、波留のために50年を生きてきた。そのふたつを成した今、海の深層へと消えた。同様にメタルに解け久島の記憶と知識を全て引き取ったエライザも、彼の「現状」を一切知らない。
 ジェニー・円とは波留が眠りに就いた後からの50年来の友人。彼の研究である気象分子にも電理研を挙げて協力関係を続けていたが、散布直前で食い違う。
【余談】
 セカンド内では神格化著しいため、おそらく草葉の陰で引き笑いになっている事でしょう。どうしてこうなったと言いたくて仕方ないだろうな。
 唐突な過去回想挿入やら、AIその他の回想やら…当人居なくても存在感あり過ぎます。久島AIがああなった今、果たしてこれから彼の「存在」はどうなるんでしょう?


●ジャック・シルバー
【アニメ本編】
 登場せず。
【セカンド本編】
 メタル初期化以来多忙になった電理研に登録した委託メタルダイバー。人工島の人間ではない。
 仕事を受けて波留と一緒のグループに所属する事2回。うち1回が鮫退治で、ぶっちゃけ足を引っ張った。
 実は、裏では久島の行方を追うために潜伏していた。そのために「親友」である波留を張っていたのだが、標的をミナモに変えたら流星群の日に久島を目撃。その情報を元に、所属グループは久島拉致へと動いた。
 結局ソウタに欺かれた挙句、静かに激怒した波留に完全にとっちめられて記憶を全て抜かれる有様。電理研調査部に拘留された以降も波留に面会を申し込まれ、「記憶抜いたのにまだ訊くことあるのか」と半ば呆れ顔に。
 それ以降の消息は不明。調査部曰く「もう拘留していない」らしい。
【キャラ概要】
 銀髪壁眼の小柄な少年。ロシア出身らしい。「ジャック・シルバー」は、仲間内で用いていたカラーコード含んでいる事から推測つく通り、偽名。本名は作中では明らかになっていない。
 微妙な味が判らないという味覚障害を持っている節がある。そのためか甘ったるいジュース類(例:バナナオレ、いちご牛乳)がお気に入り。逆にアンティーク・ガルのような自然食材の飲食店は「味が薄い」との事。
 元々はプログラマーであり、メタルダイブの経験は人工島で初めて。腕前は中級クラスだが、流石に波留やフジワラ兄弟には見劣りする。波留に敵愾心を抱くが、腕前では自分が明らかに劣っていると理解している。
 人工島にはメタ友がいる。
 少年だが既に裏街道をひた走る人生を送っており、人工島拘束時には余罪がいくらもあった。
【余談】
 そもそもはやられ役として設定されたオリキャラです。二次創作である以上、ここまでの負けっぷりを既存キャラにやらせる訳にはいきませんでした。
 とっちめた後も何故か波留は気にしているようですが…さて一体どうなるのでしょう?再登場はあるのでしょうか?
 偽名には違いないのですが、作者側から見ると名前の元ネタは存在し、「ジャック」は「ジャック・マイヨール」から取られています。マイヨールはフランス人なのでJaques、シルバーの場合だと英語なので英語名のJackになるんで微妙に違うんですが、まあ日本人のカタカナ英語命名です。
 ちなみに容貌自体は、blogで毎年展開しているRD映画版ネタのジルと同一です。俺の脳内にしかいないんだけどさ!(更に言うと、レイチェルはイエローの容貌です


●フジワラ兄弟(アユム、ユージン)
【アニメ本編】
 ボブ・周恩の救出のためにメタルダイブしていたアユムがブレインダウンした際、波留に救出される。その後波留が事務所を構えるが、その上のテナントが彼らのダイビングショップだった。
 波留とは関係なく電理研の依頼をこなしたり、ミナモのダイビングをサポートしたりしている。
 気象分子プラントのハッキングは、波留と協力して行った。超深海ダイブについても、メタルから波留をサポートしたが途中で見失う。
【セカンド本編】
 メタルに消えた波留を心配していたが、若返った姿の波留と再会。行く当てがない波留を、自分達の店の住み込み店員へと勧誘した。
 再電脳化後に波留は出て行ったが、非常勤で働いて貰っている。電理研の依頼を共にこなしたりもしている。またミナモのダイビングをサポートしたりも。
 波留と電理研の間に距離が置かれ始めているのを不審がるが、特に行動は起こしていない。
【キャラ概要】
 お調子者でバンダナで顎鬚で小柄な兄がアユムで、穏やかでドレッド纏めてて大柄な弟がユージン。容貌から判断するに、君ら本当に血繋がってるの?少なくとも腹違いの兄弟とかじゃないの?とか思いたくなるが、詳細は不明。少なくとも、弟は黒人の血引いてるよね顔立ち的に。
 そういうイメージなので、日系ではあるが日本に行った事はないしあまり興味も持っていない設定。
 海洋公園にてダイビングショップ「ドリーム・ブラザーズ」を営む兄弟。一応兄がオーナー兼インストラクターで、弟がその補佐兼会計係。
 ふたりとも電理研委託メタルダイバーも務めている。アユム曰く、波留を加えて「電理研TOP3」の腕前らしいが、アニメ本編ではこの3人しか委託メタルダイバーの描写がなかったので何とも言えない。
 セカンドではアユムの証言を信じ、この3人の実力が抜きん出ていると言う設定になっている。更に、メタルの海で「蒼い炎」を認識したのはアユムのみで、ユージンには見えなかった。
 波留に対しては、アニメ本編時点ではアユムは若干ツンデレ気味な評価だったが、ユージンは素直に凄さを認めていた。セカンドではふたりともが波留の腕を尊敬。
【余談】
 アニメ本編では「電理研TOP3」でしたが、セカンドでは明確に腕前の順列を付けてしまっています。波留>>>>(越えられない壁)>>>アユム>>ユージン位で。
 アユムが「蒼い炎」を目撃出来たのには大きな意味があります。


●神子元サヤカ
【アニメ本編】
 ミナモの同級生として様々な騒動に出くわす。アイランドの介助実習にも参加。
 アニメでのハイライトは、式典前夜祭にミナモの胸を後ろから揉んだ事か。幽霊騒動では本気で怖がっていた。
 一時期ソウタに憧れていたようだが、その気持ちはハレー襲来の頃にはさっぱり消え去った。
【セカンド本編】
 夏休み前の介助実習に参加しており、海から戻ってきた波留に出くわす。
 2学期を迎えても相変わらずミナモとユキノとは仲良く付き合っている。ミナモの「恋路」を一番気に掛けていると思われる。自分の方は、メタ友だかメタ彼だかと連絡付かなくなったり連絡付いてもまた音沙汰なくなったりしている。
【キャラ概要】
 ミナモの同級生で、スポーツ万能の少女。若干色黒。茶髪のショートカット。制服は袖を肩まで捲るのが彼女のスタイルらしい。スカーフは黄色。
 両親は忙しく、子供の頃から食事はデリバリーや出来合いのものだったらしい。
 リアルでは会った事がないメタ彼が居るらしいが、果たしていつも同一人物なのかは謎。怖い話は昔は好きだったが、今は苦手。
 波留の事を「波留爺」と呼んでいた。アニメ本編時点では直接会話を交わした事はない(はず。OP?何の事?)。セカンドでは冒頭から若返った波留と出会ったりしている。
 ミナモの事を「ニャモ」と渾名する。
 将来の夢はファッションデザイナーらしい。
【余談】
 ハルにゃも推進委員長。では、彼女自身は、どうなんでしょうね?


●伊東ユキノ
【アニメ本編】
 ミナモの同級生。アイランドの介助実習に参加。その後もミナモ達と日常パートを受け持つ。
【セカンド本編】
 夏休み前のアイランドの介助実習に参加しており、海から戻ってきた波留と再会。2学期に入ってからもミナモ達と仲良くやっている。
【キャラ概要】
 食べる事が大好きなミナモの同級生。黒髪ポニーテール。殆どいつも糸目で微笑んでいる。若干ふくよかで色白。
 アンティーク・ガルでのスイーツ三昧が大好き。決してフードファイターではないが、凄い食べっぷりを見せる。
 母親は料理教室めいた事をしている程の料理好きだが、その料理が必ずしもユキノに振る舞われる訳でもないようだ。夏休みは海外に避暑に向かおうとするような家庭環境。まあ、人工島住民である時点で世界的には相当裕福な家庭なんだろう。
【余談】
 彼女が出てくると必然的に食べ物話題になるので、非常に描写に疲れたりする。それ以上食べたら太っちゃうよー(アニメ13話のミナモ寝言風に)。


●久島のぶ代
【アニメ本編】
 当人は登場しないものの、久島の台詞と、送りつけた梅干の壷から存在が示唆。ミナモコミックにも登場こそしないものの、久島や波留の台詞から「8歳差の姉」「久島の自宅庭園にてバラを栽培し、春秋に開放」「日本舞踊をやっていた」と読み取れる。
 「久島のぶ代」と言う名は本編やコミック類、設定などに一切出ては来ていないのだが、実は該当17話シナリオには記載されている模様(ソースは疑似インタビュー
【セカンド本編】
 久島の脳核から記憶を引き出すために彼の死を認めてもらうべく、電理研が人工島へ呼ぶ。そこでミナモ達と知り合い、特にミナモには信頼を置く。
 結果的に「久島の死を認めない」判断を下し、それが電理研と評議会の方針転換を誘う事となる。その後はミナモを人工島における自らの名代として依頼し、彼女に様々な事に関わって貰っている。
 事故以前に久島を「情熱を知らない、自らと違う存在」と見限った。事故直後には密かに彼を見舞っているが、それをおくびにも出さずに4年後に襲撃。そこで波留の存在を知るが、彼の存在故に久島が研究に打ち込んでいるのかと判断し、「他人のためじゃないと何も出来ないのか」と幻滅し、当人に直に言い放つ。それが弟との最期の会話となった。
【キャラ概要】
 2061年現在90歳。日本人女性としては平均値の背の高さ。白髪に和装。背はぴんとしている。体力的な問題でもう踊れないが、舞の一部を踊れば劣化は一切見受けられない。
 若かりし頃は、ショートカットに耳元にはピアス。髪型のせいか、弟が女顔のせいか、在りし日には弟が姉に勘違いされる事が多かったらしい。しかし何故か姉が弟に勘違いされる事はなかった。
 世界的な日本舞踊の踊り手で、20歳にならないうちに師範の地位を得ている。「自らの世界を観衆の脳に送り込みたい」との信念を持つ。
 口調は穏やかだがその内容には厳しさが垣間見える事がある。いざと言う時の目つきの鋭さは、弟を彷彿とさせる。情熱的な人物だが、逆に情熱を持たない人間には冷たい節がある。
 ミナモとは「いいお友達」。彼女を名代に指名し、電通やメールで気に掛ける。久島に送り続けていた梅干は、これからはミナモに送ると約束。手始めに千枚漬けやらを送りつけている。
【余談】
 基本は「久島のアンチキャラクター」として設定。久島のやる事なす事全てを、確固たる信念の元に否定してゆく人物。
 でも必ずしも久島が嫌いとは言い切れないので、微妙なツンデレっぷりを醸し出している感がある。感想読ませて頂くに、読者様にもなかなか捉え方が難しいキャラのようです。


●エリカ・パトリシア・タカナミ
【アニメ本編】
 書記長として電理研を牽制。政治的には久島よりも上の立場だった様子。それでも電理研への批判を自分の所で止めたりしていた。
 ソウタとは恋愛関係にありつつも電理研の内情を訊き出していた。しかしその愛に嘘はなかった。ソウタから別れを持ちかけられ、了承している。
 気象分子絡みで迷いがあったが、島のために政治を志した過去の気持ちを思い出し、島を救う道を模索して波留達に協力してゆく。その過程で円とは敵対し、彼の仕掛けで久島暗殺未遂の疑惑を掛けられたり、情報漏洩を咎められて権限を停止されたりもしたが、最終的にはそれらの疑いは全て晴れている。
【セカンド本編】
 久島が倒れ円が去った情勢下、人工島の政治を上手くコントロールしている。部長代理のソウタには助け舟を出しつつも牽制。余裕がなかったソウタの代わりにミナモに気を回したりもした。
 久島のぶ代が人工島を来訪した際には会見を持ちかけている。
【キャラ概要】
 現・人工島評議会書記長。人工島の経営を司る評議会の代表。
 両親は日系人。彼女自身は、評議員として数度日本を訪れた事がある。
 20年前には初代人工島プリンセスに選出され、今の活動の足掛かりとしている。円は彼女を「ファースト・プリンセス」を呼ぶ事があるが、彼女自身はその呼び名を今の自分には合致していないと思っている。
 その縁から「タイプ・ホロン」の容貌モデル。端正な顔立ちの女性。2061年時点では40代と思われるが、美しさに衰えは見えない。彼女自身、アンチエイジングなどで気を遣っている。しかし義体化は一切視野に入れていない様子。
 20年前と異なり、今は眼鏡を掛けている(本当に視力矯正なのか伊達なのかは謎)。褐色の髪は背中に掛かる程度の長さで、その一房を摘んでいじるのが癖。
 来年初頭に次期書記長戦を控えている。当初は久島立候補の噂もあり、厳しい情勢だった。しかし久島がテロに倒れ、円も追放処分になった事で逆説的に盤石の体制を築いていた。しかし、久島が復活した事により、この情勢は新たな変化を見せ始める。
 ソウタと恋愛関係にあったが、今では解消済み。統括部長代理となった彼とは一定の距離を保ちつつ、基本的には中立。
 人工島のために働き、現在の調和を保とうとする。
 過去には久島を敬愛していたが、現在ではソウタのように盲目的ではない。久島と円は政敵兼同志であり、利害関係で反目しつつも尊重し合っていた。
 実は、久島誘拐の最中、円こそが真犯人だと円当人から言質を得ている。しかしその秘密を公開するつもりはないらしく、彼女以外の誰もその真実を知らない。
【余談】
 一筋縄では行かない、百戦錬磨の政治家です。それもこれも、去って行った久島や円の後を引き継ぐのは自分しかいないとの自負と義務感があっての事でしょう。
 そこに、横槍が入ったら?彼女はその「正体」を知っているのに?さて、どう動くでしょう?


●エライザ・ワイゼンバウム
【アニメ本編】
 人工島近海にサーバを何者かに不法投棄され、活動開始。「占い師」として人間達の記憶を抜きまくる。流石に電理研も看過出来ずに彼女の行動を監視し始めるが、波留との接触で「地球律」に興味を持ち、深海へと向かう。
 メタルに解けた久島と接触し、彼の記憶と知識を全て取得。その思いを酌み、波留を待つ道標となる。
 波留との接触後、メタル初期化を受け容れる。その後の消息は不明だが、彼女自身は「海に解けて生き残る」自信があったらしい。
【セカンド本編】
 久島AIの周辺にずっと存在していたらしい。ようやく認識した彼に契約を持ちかけ、了承を得て彼に制動系プログラムをインストールした。
 その後も彼を見守り、時には煽っている。
 実はメタルに点在していた「久島のジャンク」は、彼女がばら撒いたもの。久島と接触して彼の全てを知った彼女は、久島AIに遺されなかった部分を補うために、久島オリジナルの記憶を元にジャンク形式で散布して、久島AIへの回収を促したのだった。
【キャラ概要】
 20世紀初頭にMITで開発され、その後行方を眩ました傑作AI。
 アリスアバターや秘書アバターなどを有しているが(どんな姿にも変化出来るらしい)、デフォルトはゴシック調黒ドレスに金髪青リボン成人女性の占い師アバター。どのアバターでも、蒼い瞳に虹彩がなく代わりに六角形が刻まれているのが共通。
 容貌も言動も、妖艶な美女のそれ。波留を愛しているような素振りを見せている。
 彼女の原初は所謂人口無能の走りであり、コピーと称すべきスクリプトはメタル以前の電脳ネットワークのあちこちに転がっていた。それを前提にしてか、エライザはその原初の開発者の苗字を名乗っている。
 今の彼女は人間から記憶や知識を抜き、溜め込むプログラムに従って動いている。そのため、接触した人間の記憶を自動的に抜いてしまう凄まじいハッキング能力を有している。
 AI黎明期以前に制作されたまま行方不明になったため、マインドコントロールは実装されていない。そのため人間以上に自由に振る舞う。
 チャットプログラムとしての彼女を元に久島が制作した久島AIとは特殊なリンクを有しており、電通ともまた違うテレパシーめいた通信を可能にしている。リアルにおいて、彼女の存在は久島AIにしか認識出来ない。
 彼女の願いは「海や風や空と言うものを感じ取りたい」と言う事らしい。そのために、リアルに義体を持つ久島AIに契約を持ちかけたようだが…。
【余談】
 出番はそんなにないんですが、インパクトは絶大。ゑろすは正義。
 さて、彼女が唆した久島AIはあんな事になってしまいました。それを受けて彼女がどう動くか?


●ジェニー・円
【アニメ本編】
 久島からの紹介で、事務所を開いた波留へ初仕事を持ってゆく。
 気象分子の開発へと邁進し、電理研と人工島を巻き込んだ一大事業として展開。いざ散布直前となった時点で、臨時の評議会にて久島に「散布延期」を申し入れられ、梯子を外される格好に。
 しかし直後に久島はテロに倒れ、気象分子の散布は決行される。散布を阻止しようと気象プラントを攻撃する波留やソウタ達を、メタルと格闘の双方から迎え撃ち、一旦は敗北するものの最終的にはプラントを護り切る。
 だが、散布1週間後には「海が燃える」現象が再発してしまい、気象分子プラントは崩壊。彼は自らの過ちを認め、気象分子の崩壊を促すための措置に同意した。
 実は彼こそが久島の義体に細工し彼を拉致した張本人なのだが、その事実を知る者は、現在ではタカナミ書記長のみである。
【セカンド本編】
 原初の夜に人々の心に伝わったメッセージにより「気象分子が今回の異変の原因」と知れ渡っており、彼は社会の敵のような扱いを受ける。結果、人工島からは実質的に追放処分。中国大陸へと渡る。
 中国大陸の奥地にて、今回のテロの情報を求めてやってきた波留と再会。表向きは穏やかに受け容れるが、波留が彼の現在の研究の概要に迫ったと悟るや、メタルダイブしていた彼を妨害し、人格的に殺す事をも厭わなかった。
 何らかの事情で波留が目覚めた後は、現在の村で行っている研究を知った彼をそのまま解放。波留が求めた答えも受け渡している。秘書が波留を射殺しようとした際には妨害している。
 ちなみに50年前の事故後に久島のぶ代が弟を襲撃した現場に居合わせている。彼女の一人称での描写だが、良く読めば判るはず。
【キャラ概要】
 人工島の諮問委員会の委員長。分子工学と電脳ネットワークにおける研究者としても名が通っている。気象分子計画の提唱者で、気象分子協会の会長。しかし気象分子騒動を経て、それらの役職からは全て退き人工島から退去している。
 全身義体の老人。義体上の容貌は厳つい強面の壮年の男性。黒コート黒づくめの服装。義体の首筋接続デバイスの紋様は蟹で、「横行君子」を表している。
 穏やかで丁寧な態度は慇懃無礼でもある。
 若かりし頃に身に着けた格闘術は今も健在でソウタを圧倒した。更に軍用義体のために違法すれすれの装備も。手がスタンガン状態だったりするっぽい。
 久島とは長年の友人関係。時系列を見るに、どうやら波留が眠りに就いて以降からずっと付き合いがあるらしい。
 現在は中国大陸の奥地の村で農業指導に当たりつつ、研究を進めている。村人達とは友好的な関係を築き、子供達には先生と呼ばれている。
 人工島時代からの秘書も彼に随行し続けている。
 「人類の敵」みたいな扱いを受けてしまっている現状だが、彼の支持者は居ない訳ではない。人工島では流石に支持を公言するのは難しいが、密かな支持を続ける人間も未だに存在する。島外には更に支持者は存在しており、人工島では没収された財産も島外には充分に遺している。
【余談】
 「だが、私は謝らない」状態だったアニメ終盤ですが、悪い人間ではないのです。融通が利かずに持論を曲げない人間だっただけです。正に横行君子。ローフル・ニュートラル。自分の前に立ち塞がるのならば、友人も同志も葬り去る。そういうイメージでセカンドでも描いています。
 絵板ではすっかり秘書の人に対して親馬鹿っぷりを発揮しております。セカンド本編でも、内心はそんな感じだと思われます。


●ジェニー・円の秘書
【アニメ本編】
 ジェニー・円に常に付き従っていた。彼のラストカットでも、式典会場の片隅に控えていたり。
【セカンド本編】
 円に付き従い人工島を離れている。中国大陸の奥地に共に引っ込みつつ、彼女自身は追放処分を受けていないからか、人工島の密かな支持者と連絡を取り合っている様子である。
 その通信を波留に捕捉され、円との会見をセッティングする羽目に陥る。波留到着後は、主の命の通りに波留の世話を焼く。
 車中にて主を問い詰めて行った波留を、振り向き様に射殺しようとしたが、その主に阻止されている。
【キャラ概要】
 ジェニー・円に雇われている女性秘書。
 本名不詳。アニメのキャスト表記でも明記されてないんだから仕方ない。
 若干薄い褐色のショートカット。美しい顔立ちだが、無表情。秘書らしく、礼儀正しい。感情を全く表に出さず、基本的に笑わない。秘書用アンドロイドでもここまで融通利かないかと思わせる程に。その態度は主にも客人にも変わらない。
 基本的に有能な人物であり(秘書業務以外でも)何でも出来るが、料理だけは不得手。銃の腕前もそこそこ行ける様子。
 主への忠誠心は確か。と言うか、それのみで動いている節がある。それでも人間らしさが垣間見える事も…。
【余談】
 最早オリキャラだよねー。
 実は物凄く厨臭い裏設定が存在するんですが、例によってセカンド本編で触れる事はありません。
 …何、「内戦状態の中国大陸にて誘拐され育成された子供兵士出身で、追撃を逃れるためにたまたま潜り込んだ円の別邸にて主と遭遇して、人質に取ろうとしたらこの爺さんに速攻徒手空拳であっさりぶっ飛ばされ、そのまま面倒を看て貰い、今に至る」とか言う奴です。何このメイド猟犬とバランシェファティマNO.1の合わせ技。笛糸零の助手さんみたいな過去も…まあ、あったのかなあ…?


ゲストキャラクター


●蒼井衛
【キャラ概要】
 ミナモとソウタの父親。50代程度の神経質そうな眼鏡の男性。
 元・電理研管理部技術課課長。しかしサーバを叩き壊して人為的にシステムダウンを引き起こした責任を取り、平職員へ降格。
 実はそのサーバ破壊は「やらなくてはシステム全体が崩壊する恐れがあった」との認識が課の全体にあったため、降格後も彼を「課長」と呼ぶ同僚は後を絶たない。
 部下や同僚からの信頼は厚い。その一方で家庭に寄りつかない。
 サーバ破壊の一件で久島からは信頼を受け、超深海ダイブに向けての装備開発を極秘に一任される。久島が倒れた後も開発は続けられ(と言うか、直前に久島によって海底区画へ隔離されていたため、状況を把握してなかった節がある)、波留のダイブのサポートを行った。
 セカンドでは、久島の意識復活チームの一員として選出され、占拠事件に娘共々巻き込まれる。
 部長代理を続けるソウタは息子だが、職務上での会話は部下としての態度を外さない。


●レッド
【キャラ概要】
 久島の脳核を狙った、メディカルセンター占拠事件の犯人グループのリーダー。覆面を取ったらアジア系の男性。40代程度の容貌で褐色の髪を短く刈り込み、顔にはいくつも傷跡があった。
 歴戦の傭兵だったようだが、波留とソウタの仕掛けの前に完敗。彼の知る所ではないが、久島AIの「嘘」にも振り回されている。
 彼は波留達に負けを認めたが、秘密保持のために電脳自殺を図る。結果、記憶の殆どが断片化。波留がその修復に当たり、ある人名を発見する。
 彼の部下には、メタルダイバーのシルバー、狙撃主のイエロー、実行部隊のブラック、ブルー、グリーン、更には搦め手として配置していた未電脳化者のゴールドが存在したが、最終的には全員拘束されている。
 ミナモにも躊躇なく、しかも計算ずくで暴力を振るおうとした程に、冷静沈着。それ故に不必要な暴力は用いず、ある意味紳士的な占拠犯だった。部下想いでもあり、契約を重んじる。
 現在では人格的には消失状態。彼に依頼した当事者は、作中では未だ明らかになっていない。
【余談】
 シルバー同様に負け役です。でもあくまでも彼なりの信念の元に戦っており、単純な悪役にならないように心掛けました。
 ところで、セカンドには執筆直後に推敲を担当してくれている友人が居るんですが、そいつが8話読破後に「覆面レッドって言うからサンレッドさんがちらついて困る」と言い放ってくれたおかげで俺の脳裏にもそのイメージがちらつき始めてて大変困る(と、ここに書いて更にイメージ共有させに掛かってみる


●アイリス
【キャラ概要】
 本名不詳。「アイリス」と言う名も波留が便宜的に名付けたに過ぎない(アイリス当人も気に入ったようだが
 性別年齢全てが不詳のメタルアーティスト。イリスのメタルアートを模倣し、遂にはイリス作品と同一視されるような作品を作り上げた。そのメタルアートを調査していた波留が、遂にその存在を突き止める。
 才能があるのは確かだが、自身はあくまでも「イリスの模倣者」であり、表に出るつもりはない。そのため、波留からの勧誘を断っている。
 メタルとリアル双方で盲目。そのために「アトリエ」メタルには盲目の人間しかログイン出来ない設定になっている。
【余談】
 13話登場。その予告が思いっ切り釣りでしたが、ご苦労様っしたー!エイミだと思った?残念、オリキャラでした!




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